HIGHLIGHTS
目的と価値観
2020年9月1日、カンファレンスシリーズ「Shaping a Future」の第4弾「Shaping a Sustainable Multilateralism(持続可能な多国間主義を創造)」が、プラダ財団のヴェネツィア本社のカ・コルネール・デッラ・レジーナで開催されました。午前中の討論会は、新しく設立されたSoft Power Clubが主催する2日間のイベントの一環です。イベントの最初のテーマは、「ソフトパワー」のコンセプトの再生と、コラボレーションと多国間主義の新しい形でした。これらは、アフターコロナの世界における環境や文化遺産の保護といったグローバルな目標の達成のために戦略的に重要であることが証明されつつあります。
カンファレンスでは、クリエイティブな業界が果たすべき重要な役割が強調されました。この業界は、文化の発展の基礎を築き、絶え間なく変化する社会を解釈する力の土台を築くことで、国際レベルでのイタリアのアイデンティティの支持を可能にし、ソフトパワー自体の再生のカギとなる重要な要素を構成しています。
カンファレンス第3弾「Shaping a Sustainable Future Society(持続可能な未来社会を創造)」が、2019年11月8日にニューヨークのプラダ米国本社で開催され、芸術、ビジネス、金融各界の学生、学者、著名人ら250人を超える参加者が集まりました。このイベントでは、このテーマの真の意味を定義するために、ビジネスと社会における社会的責任の意味を探りました。国際的な企業、機関、組織の代表者が集まり、自由、平等、正義を推進する環境を構築するという公共および民間団体の道徳的義務についての見解を共有しました。
午前の部では、大英帝国勲章(OBE)を授与された建築家のデイビッド・アジャイ卿とパラリンピック選手のSimone Barlaam氏によるスピーチが行われたほか、円卓会議では、人権の尊重、文化的アイデンティティ、機会均等などの問題や、より一般的に社会の発展に貢献する企業の役割といった問題に対する感度の高まりについて議論しました。ディスカッションはミラノ工科大学経営大学院のラファエラ・カグリアーノ教授と人工知能の研究者および専門家であるケイト・クローフォード氏の主導により進められ、デジタルテクノロジーの利己的な乱用のリスクとともに、日常生活の再設計におけるデジタルイノベーションの役割を探りました。
この一日のセッションを通じて、イェールセンター フォー カスタマーインサイトは、プラダ・グループと共同で開発した、社会問題が消費者の購買選択に与える影響を調査することを目的とした研究プロジェクトを発表しました。
2018年11月20日には、「Shaping a Sustainable Digital Future(持続可能なデジタルの未来を創造)」と題した第2回となるカンファレンスが、ミラノで開催されました。このカンファレンスでは、持続可能性とデジタルイノベーションの相関性を探りました。科学技術がいかにビジネスや社会の持続可能な発展に寄与できるか、また、科学技術の進歩によってもたらされている持続可能性に関する切迫した危険についての分析を試みる中で、ビジネス界の指導的立場にある経営者や国際的な団体の代表が包括的なテーマについての討論を行い、それぞれの考察や経験を披露しました。
イベント前の数か月間、プラダの経営大学院のパートナーによって、大勢の学生の聴衆(主に大学院生)が参加できる学生コンテストが開催され、その中で学生たちはカンファレンスのテーマに関する考察を提示しました。
第1回のカンファレンス「Shaping A Creative Future(クリエイティブな未来の創造)」は2017年3月20日と21日、ミラノにおいて学生、大学教授、ビジネスマン、起業家、ジャーナリストなど300人以上の聴衆を前に開催され、創造性、持続可能性、イノベーションの間の連関の可能性の分析に焦点が置かれました。
このイベントでは、以下の4つのトピックに焦点が当てられました。ブランドの伝統と市場価値:ブランドの歴史が製品に対し、また職人技の保存に対してもたらす影響。イノベーションと伝統を通じたサステナビリティのためのデザイン:伝統とイノベーションの融合による持続可能な成果の実現。持続可能性と価値創造:価値創造のための主要因としてのイノベーションと持続可能性。創造的卓越性の推進:リーダーシップを創造とイノベーションのためのインスピレーションをもたらす要素として検討する。
カンファレンスの前には、企業や協会の代表が2つの大学の教授および学生とディスカッションを行い、サステナビリティとイノベーションに関する重要な展望を詳細に検討するセッションが行われ、翌日のディスカッションでもこのセッションを再開しました。