HIGHLIGHTS
目的と価値観
「ヒューマンファクターはトレーニングやリサーチと同じぐらい重要な資産です。判断力とともに敏捷さが求められます。危機的状況にあっても最終目標である勝利を見失わずに対応する心構えが求められます …しかし目指すものは勝利だけではありません…」
パトリッツィオ・ベルテッリ
2021年のプラダ主催の第36回アメリカズカップで素晴らしい成績を収めたルナ・ロッサは、世界最古のスポーツトロフィーであり、セーリングの頂点に立つアメリカズカップに6度目の出場を果たします。
チームは3回連続でCircolo della Vela Siciliaヨットクラブを代表し、今大会に挑みます。開催地選考をめぐる熾烈な競争の結果、2024年8月~10月に開催される第37回アメリカズカップの開催地にバルセロナが選ばれました。アメリカズカップの173年の歴史において、スペインが開催国となるのは2回目です。今回も、オークランドの海で素晴らしい活躍を見せたAC75クラスの単胴船で参戦します。
2022年10月13日に登場したプロトタイプは、すべてカリアリにあるチームの拠点でデザイン、建造されました。革新的なグラフィックで飾られた12メートルの艇は、AC75艇の同寸モデルです。クルーのトレーニングと素材のテストやシステムの調整に使われ、第37回アメリカズカップに出場するAC75艇に活かされます。
ルナ・ロッサ プロジェクトの創設から20年後の2017年に開催された第36回アメリカズカップでは、プラダが命名・主催し、スポンサーを務めることで、プラダとセーリングの世界の関わりが強固になりました。プラダは、前回の大会から、イタリアを代表する世界的な企業グループとともに共同タイトルスポンサーに加わり、チーム名を「ルナ・ロッサ プラダ ピレリ」と命名しました。
2021年2月21日のプラダカップでイネオスチームUKを7対1で破り、優勝したルナ・ロッサ プラダ ピレリは、第36回アメリカズカップで挑戦者として王者エミレーツ・チーム・ニュージーランドと対戦しました。マーク・ニューソンのデザイン、フィレンツェ屈指の熟練銀細工師の製作によるトロフィーは、マックス・シレナと2人の操舵手、フランチェスコ・ブルーニとジミー・スピットヒル、そしてルナ・ロッサが代表するCircolo della Vela Siciliaヨットクラブのクルーと会長のアゴスティーノ・ランダッツオに授与されました。
プラダ主催の第36回アメリカズカップの最終戦で、ルナ・ロッサ プラダ ピレリは、前回王者のエミレーツ・チーム・ニュージーランドを相手にイタリアの出場チームとして同カップ史上最高得点を記録しています。
2019年10月2日、ルナ・ロッサ プラダ ピレリのチーム拠点のカリアリで、革新的なフルフォイルの単胴船AC75ルナ・ロッサ第1号船の進水式が行われました。船が祝福を受けると、パトリッツィオ・ベルテッリ、アゴスティーノ・ランダッツォ(Circolo della Vela Sicilia会長)、マルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ(ピレリCEO兼ルナ・ロッサ チームの共同スポンサー)とともに列席したミウッチャ・プラダが命名の儀式を行いました。
2020年10月20日、オークランドにてAC75ルナ・ロッサ第2号船の進水式が行われました。式は、船長兼チームディレクターのマックス・シレナの妻であるタチアナ・シレナによる開式の儀式と、オークランドのセント・パトリック大聖堂の首席司祭である“Pa” Peter Tipene神父による祝福とともに始まりました。続いて、地元のマオリ族コミュニティによる船の進水を祝う伝統的な儀式が行われました。
2024年4月13日、カリアリのチームの拠点にてAC75ルナ・ロッサ第3号船が進水されました。進水式では、パトリッツィオ・ベルテッリ、アゴスティーノ・ランダッツォ(Circolo della Vela Sicilia会長)、マルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ(ピレリCEO兼ルナ・ロッサ チームの共同スポンサー)とともに列席したミウッチャ・プラダが、命名の儀式を行いました。
起業家のパトリッツィオ・ベルテッリとアルゼンチンのヨットデザイナー、ジャーマン・フレールが出会い、フレールがベルテッリに2000年の第30回アメリカズカップへの挑戦をすすめたことから、1997年にルナ・ロッサ チームが創設されました。以後、アメリカズカップに5回出場し、2000年のルイ・ヴィトンカップと2021年のプラダカップの2回で優勝、2007年と2013年の大会では決勝進出という成績を残しています。2012年6月29日、パトリッツィオ・ベルテッリはイタリア人として初めてアメリカズカップの殿堂入りを果たしました。
ルナ・ロッサ プラダ ピレリチームをスポーツ界で最も長い歴史を誇るトロフィーへと駆り立てたのはビジョン、専門知識、情熱です。最高のスポーツマンシップと技術革新を表現し、長年にわたり、イタリアならびに世界中のセーリング愛好家を魅了してきたこのプロジェクトは、海と陸の両方において国際的尊敬を獲得しています。