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    CEOからのメッセージ

    成長のための進化:2023年度の業績
    個人的なことからお話ししますと、プラダ・グループに加わったこの1年目は、私にとって極めて充実した幕開けとなりました。そして、この素晴らしい歩みの一翼を担えることを大変誇りに思います。

    2023年は、マクロ経済および地政学的な不確実性が高まる状況にもかかわらず、とりわけ下半期における目標達成という点で、極めて目覚ましい年となりました。

    当グループの収益は47億ユーロ、成長率は17%増となりました。第4四半期の堅調な業績(17%増)は、12四半期連続での成長となりました。

    ブランド別では、プラダの小売売上高が12%増と堅調な伸びを見せ、ミュウミュウは58%増と躍進しました。
    こうした優れたトップラインの業績に加えて、収益性も向上し、EBITマージンは22.5%に達しました。これはブランドへの多大な投資を反映しています。
    当グループのCAPEXの大半は、リテールネットワークの強化と、産業戦略およびデジタル戦略の推進に充てられました。これらの分野は、今後数か月間、引き続き最優先事項となります。


    常に適切であり続けるための進化:文化的な対話の一翼としてのブランド
    日々変化し続ける世界において、ブランドが文化的な議論や対話を解釈し、形成することで、常に適切な存在であり続けることは極めて重要です。2023年、ブランドがそのデザインコードを解釈・再構築し、継続的に新しい審美的な対話を見出すことで、プラダのクリエイティブな炎はかつてないほど強く燃え上がりました。ランウェイは強い共鳴をもたらし、社会に関する幅広い考察の中心的なステージとなりました。プラダは一貫して、相反するものを受け入れることを恐れません。その一方で、ミュウミュウの遊び心あふれるストーリーも健在です。2023年のコレクションは、すべてのカテゴリーにおいて高い商業的評価を得ています。ブランドの大胆不敵な好奇心は、人間的な複雑性をタイムリーに解釈することで、人々を魅了し、刺激し続けています。私たちのブランドは、果敢に探求、問いかけ、分析、再定義を行い、キャンペーンや没入型体験、意外性のあるコラボレーションによってそれらをさらに増大させ、グローバルコミュニティとの絶え間なく進化する対話を育みました。


    向上するための進化:卓越したリテール戦略の実現
    今日、店舗はこれまで以上にブランドがお客様と関わりを持つ舞台となっています。対話の複雑さが増すにつれて、リテール空間は、ブランドのコミュニティとのより深い交流を実現する、新しいつながりの形を見出す必要があります。

    2023年は、プラダ・グループのリテールネットワークへの投資を優先事項としました。同時に、KPIを注意深くモニタリングすることで、すべてのブランドと地域において、継続的なリテール販路の向上を図っています。
    2024年も引き続き注力し、今後もネットワークと実行力をさらに発展させ、卓越したリテールへの歩みをさらに推進し、各ブランドのアイデンティティを表現する強力な手段を提供していきます。


    重要性を高めるための進化:サステナビリティの歩みにおける前進
    サステナビリティは当社の戦略に欠かすことのできないものです。

    当社は「DRIVERS OF CHANGE(変化への原動力)」になるという志を掲げ、事業のあらゆる面で進化し、より受容性を持つ雇用主となり、よりサステイナブルなメーカーとなることを約束するとともに、次世代のための教育的イニシアチブを推進しています。

    私たちはこの歩みの中で挑戦を続けていますが、その努力が継続して実を結んでいることを嬉しく思います。


    前進するための進化:未来への展望
    ここ数か月、私たちは柔軟性を受け入れることが必要な時代に生きているのだということを、改めて思い知らされました。私たちはそれを念頭に置き、予期せぬ事態が発生した場合でも軌道修正できるよう、ペースを維持しながら前進を続けます。
    事業のやり方は変化しても、当社の目指すところは変わりません。当社は、ブランドの持つクリエイティブなアイデンティティを育み、今後も適切な存在であり続け、現代社会の文化的な議論をリードしていきたいと考えています。今後もリテールの卓越性という目標を追求し、店舗をさらに進化させたいと考えています。また、従業員、サプライチェーン、持続可能性イニシアチブに投資し、従業員と社会に対して変化への原動力となることを目指しています。

    当社の組織は強化されており、戦略には確固たる自信があります。私たちはこれまでに成し遂げてきたことを誇りに思うと同時に、未来に向かって新たな地平を切り開こうと意欲を燃やしています。ダイナミズム、創造性、人材、そして志は、常にプラダ・グループの歴史を形作ってきたものであり、今後も引き続き、これらの価値観を培いながら、今後の成長への歩みを進めていきます。

    アンドレア・グェラ
    CEO兼業務執行役員

    CSR担当責任者からのメッセージ

    2023年、プラダ・グループはサステナビリティのガバナンスを継続的に強化し、事業の産業面におけるサステナビリティの推進を担当する当グループのサステナビリティオペレーション&プロダクトコンプライアンス担当ディレクターを任命しました。これは当グループにとって重要な分野であり、高い志を持った目標の達成に不可欠なものです。この決定は、当グループのサプライチェーンにおける間接的な温室効果ガス(スコープ3)排出量の削減目標を達成し、グループによる広範な環境への影響を軽減するための取り組みの一環です。
    当グループの持続可能性委員会は、事業が直面する主な課題に焦点を当て、持続可能性戦略を成功裏に実施するために必要な特定分野の内部責任を割り当てることで、ESGの取り組みを支援し、事業全体の文化的変化を促進することに貢献しています。
    2023年において、私たちは3年間のロードマップを進行させ、「地球」、「人々」、「文化」の3つの行動の柱に沿った目標を設定しました。その中でも特に重点を置いたのが、主要原材料をより環境負荷の低い代替品に切り替えることを含めた、スコープ3排出量の削減です。財務上実行可能な形で、サステナビリティを当社の長期的成長目標にいっそう組み入れていくことは、困難を伴いますが極めて不可欠な作業です。戦略的な投資は、当社の目標に向かって前進するための手段のひとつです。そのため、当社は認定提携企業から持続可能な航空燃料(SAF)クレジットを購入することで、物流の脱炭素化に向けた投資を行っています。これにより、航空業界全体に利益をもたらす技術の開発と利用がさらに活性化されます。
    転換を加速させるべく、当社とファッション協定の他の11の加盟企業は、ヨーロッパの太陽光発電開発業者とCollective Virtual Power Purchase Agreement(共同バーチャル電力購入契約/CVPPA)を締結しました。この先駆的な連携は、すでに画期的なクリーンエネルギー取引として認識されており、今後、他の業界関係者に対しても、さらなる再生可能エネルギー生産を支援するよう促すものとなることを期待しています。

    この1年間、私たちはサプライチェーンの垂直統合にも継続的に投資し、価値創造の最も繊細な段階における監視と管理の対象を拡大しました。まず、ニットウェア会社Luigi Fedeli e Figlio S.r.l.の少数株主持分を取得しました。同社はニットウェアと上質な糸の品質で世界的に認められているイタリアのファミリー企業で、これにより原材料のトレーサビリティを向上させ、また、当グループの製造施設の一部拡張と従業員の新規採用により、社内の生産能力を向上させます。プラダ・グループは、イタリアにおける製造能力と職人の専門技術を強化するため、400名の雇用を発表しました。さらに、製造管理システムのデジタル化を含め、年間の研修時間を大幅に増加させました。これらの対策によって、私たちは確実にそのノウハウを継承し、効率性を向上させるとともに、欧州連合(EU)と、より先進的な市場により求められる透明性とトレーサビリティに関する数多くの要件に、より適切に対応することが可能となります。
    また、戦略目標である人材定着も継続的に推進しました。これは、「DRIVERS OF CHANGE(変化への原動力)となる」という当社の企業価値と目的を根付かせることを目指した社内プロジェクトを通じて行われました。当グループの新しいCPO(最高人事責任者)の就任は大きな進歩であり、私は今後、彼女と密接に連帯し、「人々」の柱における喫緊の課題への取り組みを加速させ、従業員のためとなる共有の志を推進していきます。
    そして、ユネスコIOCとのパートナーシップをさらに強化し、SEA BEYONDプロジェクトを拡充しました。教育活動に加え、科学的研究や海洋保護に関する人道的プロジェクトの開発への支援も行っています。このプロジェクトは、2023年7月より、Prada Re-Nylonコレクションの収益の1%によって支援されています。プラダ・グループによるSEA BEYONDプログラムを通じた海洋リテラシー向上への支援が認められ、私は光栄にも2023年末に国連海洋科学の10年アライアンスのパトロンに就任しました。

    この役割を通じて、私は今後も、コミュニティ全体に影響を与える目標を達成するために不可欠なツールであると確信している、民間セクターと第三者機関の協力体制を推し進めていきたいと考えます。協力と連携は、個人の行動以上に大きな影響力を持ちます。

    ロレンツォ・ベルテッリ
    CSR担当責任者

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