低木
HIGHLIGHTS
目的と価値観
2018年6月8日、プラダ・グループは、イタロ・ルピの編集による書籍『Prada Architecture by Guido Canali』の出版を記念して、トスカーナ州ヴァルヴィーニャの生産拠点を公開しました。
プラダ・グループのCEO、パトリッツィオ・ベルテッリ、建築家グイド・カナーリ、建築家イタロ・ルピとミラノ工科大学正教授のフルヴィオ・イラーチェが、クオリティ重視の作業環境、ガーデンファクトリー、持続可能性について語り合いました。
ヴァルヴィーニャでは、グイド・カナーリが、その作品の中に繰り返し取り入れ、既にモンテヴァルキとモンテグラナーロの以前の2つのプロジェクトで部分的に検討していたいくつかのテーマを発展させ、完成させています。その成果は、新しい拠点と合わせて「ガーデンファクトリー」として定義されています。
建築家グイド・カナーリは次のように語っています。「広大な水辺によって引き立てられ、エネルギー貯蔵の機能も備えた大規模な緑の空間は、このファクトリーに不可欠な存在となっています。この空間は単なる装飾ではなく、そこで働く人々の快適な暮らしに適した状態として設けられています。この建築では、無用な表現や自己顕示を拒絶し、合理主義本来の批判的厳格さに忠実になって、余計なものを省き、洗練の余地を残しています。このように、魅力的な秘密の庭園、木陰を作るブドウのトレリス、きらめく池は、建築家の型にはまった恣意的な表現ではなく、壁や庭園の内側で働かなければならない人々の尊厳と健康、そして精神面を尊重しています。そのため、必然的に苦労もありました。」
プラダ・グループと建築家グイド・カナーリは長い協力関係の中で、劣化した土地を回復し、景観への影響を最小限に抑えた建設を実現しました。
「私たちはグイド・カナーリとともに、ファクトリーとその職場環境に対する解釈について、3つの基本原則に基づく「共通のビジョン」を築きました。その原則とは、働く人々の尊重、「妥協のない品質」のコンセプトに対する十分な相乗作用をもたらす解釈、美意識そのものを目的としない、効率と職場文化の表現としてのディテールの重要性に対する認識です。パトリッツィオ・ベルテッリはこう主張し、さらに次のように付け加えています。「プラダとグイド・カナーリはこのような倫理観の先駆者であり、20年以上にわたる協力関係の中でこの倫理観を培ってきました。こうした価値観がまだ倫理的義務として認識されていない歴史上の一瞬間において、両者が自然にこの原則を取り入れました。トスカーナ州ヴァルヴィーニャの生産拠点はこれらの原則を体現しています。周囲の環境を尊重した、責任ある持続可能で効率的な建物は、建築と周囲の自然との調和を実現しています。」
ヴァルヴィーニャの生産拠点は、プラダとミュウミュウのレザーグッズコレクションの生産・開発部門、原材料倉庫、レザーグッズおよびシューズコレクションのヒストリカルアーカイブ、サービス・生産に関する一般事務部門、講堂、システムエリア、プラダ・グループのデータ処理センターを擁しています。
㎡ 建築面積
㎡ 総建物面積
㎡ 本館面積
オフィス棟
食堂とキッチン
物的設備
数字で見るヴァルヴィーニャ:4つの建物
2階建ての本館は、プレハブ強化コンクリート構造の地階が倉庫施設、鉄骨構造の1階が生産用ラボに用いられ、ブランドと製品ファミリー(プラダレディス、プラダメンズ、レザーグッズ、ミュウミュウ)に応じて分割されています。
発電・熱処理・水処理プラントを擁する物的設備の上部は段丘状になっていて、丈の長い植物が生えています。
本館の裏にある3階建てのオフィス棟は金属で覆われています。1階には事務局、講堂、マルチメディア&テレプレゼンスルームがあります。
広大で明るい食堂エリアは、オフィス棟に設置されたパーゴラより低い位置にあるガラス屋根が特徴です。