HIGHLIGHTS
目的と価値観
2017年10月12日、プラダは1918年に上海中心部に建てられた歴史ある邸宅を改装したPrada Rong Zhaiをオープンしました。この建物は、プラダ・グループが中国で催すさまざまな文化活動の拠点となる多目的スペースです。
ミウッチャ・プラダとパトリッツィオ・ベルテッリの中国文化の継承に対する尊敬と敬愛を表して、2011年、プラダはこの邸宅の改修プロジェクトを開始しました。6年間に及んだこのプロジェクトは、細心の注意と優れた職人技を要し、建築上の特徴を尊重する必要がありました。
この事業には、ミラノのガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世の修復、ヴェネチアのグランドカナルを見渡す壮麗なバロック宮殿、カ・コルネール・デッラ・レジーナのアートスペースへの改修など、世界中の歴史的建築物の再評価の中でプラダが育んだ手腕が結集されています。
RONG ZHAI - オープニングイベント
「Rong Zhaiは、私の家族と深い関わりがあります。父、榮宗敬は事業で成功を収めた後、1918年にこの邸宅を購入しました。自社の経営管理に役立てるとともに、家族の住まいにするためです。それから100年近くが経ち、屋敷はかつての壮麗さを失い廃屋と化しました。
今回の改修作業はきわめて慎重におこなわれ、壁やステンドグラスにまで本来の姿を復元すべく細心の注意が払われました。改修を経た屋敷は、活き活きとした新たな外観を授かりました。
Rong Zhai本来の魅力と威厳を取り戻してくださったプラダ・グループに心から感謝いたします。細部まで配慮の行き届いた計画のおかげで、今後、Rong Zhaiは上海においてファッションを象徴するランドマークとなり、世界各地より著名な方々をお迎えすることとなるでしょう。父が生きていれば、きっと喜んだと思います」
榮宗敬(Yung Tsoong-King)氏ご子息、H.C. Yung氏
「建築は常にプラダのインスピレーションの源でした。これまで私たちは現代建築に関する実験的活動および歴史保全の双方に深く関与し、建物の持つ実用、商業、歴史的な意義の研究はプラダの事業展開において、重要な役割を果たしてきました。
特に、中国―国家としての中国と、ヨーロッパの概念上の中国―は、それぞれプラダの思い描くイメージの中で重要な位置を占めつづけています。これまでファッション企業ならびにプラダ財団の両方を通じて様々な文化的活動を展開するなかで、中国でもプラダの建築あるいは芸術における試みを行う好機をうかがってきました。この使命に導かれてめぐりあったのが、Prada Rong Zhaiであり、中国文化およびヨーロッパ・中国間の対話に貢献したいと願うプラダの変わらざる想いを表明するにふさわしい歴史的ランドマークです」
ミウッチャ・プラダ、パトリッツィオ・ベルテッリ