HIGHLIGHTS
目的と価値観
2024年6月8日、ヴェネツィア - 海洋教育をテーマとした初の国連会議「海洋リテラシー世界会議」の2日目は、「海洋リテラシーのためのヴェネツィア宣言」の署名で始まりました。
ヴェネツィア宣言は、教育、科学、政治、経済、文化の領域において海洋リテラシーを確立するために、新しい行動の波を引き起こす目的で作成されました。海洋に対する人類の理解を拡大することで、海洋リテラシーは、海洋環境を尊重し、世界の海洋文化を保護するようにコミュニティをエンパワーします。そして最終的に、より広範な持続可能な開発の基盤となることができます。
この後、国際的なNGO「国境なき図書館」との協力によって生まれた、初のSEA BEYONDアイデアボックスが発表されました。これは、恵まれない地域の子供や若者が教育を受けることができるよう促進することを目的としています。2014年にフィリップ・スタルクがデザインしたアイデアボックスは、インターネット接続、タブレット端末、ノートパソコン、250冊以上の書籍やゲーム、そして数百冊のトレーニング教材などを備えた100平方メートル以上の移動式マルチメディアセンターです。アイデアボックスの10周年を記念し、フィリップ・スタルクと国境なき図書館の創設者・会長のパトリック・ウェイルが、その発端となった経緯について語る対談が行われました。メディアセンターの内容は、国境なき図書館の協力によってユネスコの海洋リテラシーチームがキュレーションを行い、そのセレクションは、すでに実施されているフランス本土と海外領土(8つのアイデアボックス)、ブルンジ(4つのアイデアボックス)、コートジボワール(6つのアイデアボックス)にも取り入れられます。個々のアイデアボックスの管理を担当するチームは、ユネスコの海洋リテラシーチームによる研修を受けます。
さらに多くの子供たちが利用できるように、SEA BEYONDのアイデアボックスは、ヴェネツィアの後、ナポリのスペイン地区財団に寄付され、ナポリ市内で遠足プログラムが計画されています。アイデアボックスは、Maestri di Strada Onlus協会、Centro Polifunzionale Ciro Colonnaの協力によって、ナポリ臨海実験所から、テルッツオルオーゴ財団Sant’Anna a Capuana文化スペース、東ナポリ地区へと移動します。また、ネットゥーノ王国海洋保護区との協力によってイスキア島とプロチダ島でも展開されます。
午後の部では、80人を超えるヴェネツィアの子供や若者が、SEA BEYONDerの指導と国境なき図書館イタリア支部の教育者の支援による、海をテーマにしたワークショップでの学びを通してSEA BEYONDアイデアボックスを体験しました。
ビッグウェイブサーファーで海洋と若者のユネスコチャンピオンのマヤ・ガベイラは、8月初めにAbrams社より出版予定の自身の絵本『Maya Makes Waves』を子供たちに読み聞かせました。コーラル・ガーデナーズの創設者兼CEOでナショナル ジオグラフィック エクスプローラーのティトゥアン・ベルニコは、タヒチで養殖しているコーラルガーデンを子供たちに紹介、海洋生物学者でナショナル ジオグラフィック エクスプローラーのジョヴァンニ・キミエンティは、水中写真の力を使って深海の生態系の特殊な性質について子供たちに学びを提供しました。環境保護活動家で俳優のヴァレンティーナ・ゴットリーブは、ヨガの動きと波からインスピレーションを受けた瞑想のレッスンを行い、生物学者でMuMaミラッツォ海洋博物館創設者のカルメロ・イスグロは、海中や周辺にいる生き物をイメージしたジェスチャーゲームで小さな参加者たちを楽しませました。