HIGHLIGHTS
目的と価値観
プラダ2020年秋冬メンズウェアファッションショーでは、AMOによりDepositoの空間が新たな姿に変身。公共の場に満ちる抽象的なエネルギーを体現した、想像上のピアッツァ(広場)へと変貌を遂げました。覆いのないむき出しの舞台に並ぶのは、対照的に開けられた入り口の数々。強烈なレッドライトを照らして奥行を出した開口部は、建築の裏に隠れている不思議なポーチとピアッツァという公共スペースとの境界になっています。両広場の中央に設置されているのは、視覚的なアクセントや三次元の座標軸の役割を果たしている、抽象的な像です。 秋の午後の陽が描く長い影さながらに、像がシャープな影をフロアに落とし、正方形の舞台とグラフィックデザインを引き立てています。会場は、観客が舞台の上方に座る設計。観客はルックが登場するステージから離れていると同時に、それを覗き見るようにデザインされています。姿を現しては消えていくモデルたちは、見える場所と見えない場所の境界がぼやけるような目に見えない軌道に乗って、ピアッツァというスペースを行き交います。
クレジット:OMA/AMO